オーストリアは世界3位「持続可能な観光国ランキング」
調査会社ユーロモニター・インターナショナルが2021年3月に発表した「持続可能な観光を推進する国(Top Countries for Sustainable Tourism)」ランキングで、オーストリアが第3位に選ばれました。
この調査は、①環境的持続性、②社会的持続性、③経済的安定性、④リスク、⑤持続可能な観光需要、⑥持続可能な移動手段、⑦持続可能な宿泊の7つを柱とする「持続可能な観光インデックス(Sustainable Travel Index)」を指標とし、世界99カ国を対象に実施されました。
その結果、1位のスウェーデン、2位のフィンランドに続き、オーストリアが3位に選ばれました。その後、エストニア、ノルウェーが続き、トップ20までを欧州の国が占めています。一方、アジア諸国の順位は総じて低く、日本は53位にとどまりました。
以下は、7つの柱の主な要素と、それぞれにおけるオーストリアの順位です。「社会的持続性」と「持続可能な移動手段」で1位に選出され、また「環境的持続性」では前回の調査時からもっとも改善した国と評価されました。
- 環境的持続性(気候、自然資産、汚染、エネルギー、水):8位
- 社会的持続性(リソース、食の安全、貧困、幸福、自由、公平性、教育):1位
- 経済的安定性(観光への依存度、債務レベル、ホスピタリティ業の雇用、強みと弱みを測定するためのビジネスの準備度):7位
- リスク(安全性、ヘルスケア、危険にさらされている文化資産と種):10位圏外
- 持続可能な観光需要(対応力、価値創造、オーバーツーリズムの度合い):10位圏外
- 持続可能な移動手段(航空便利用への依存度、鉄道・代替移動手段の利用、インフラの質、道路密度、CO2排出):1位
- 持続可能な宿泊(施設による資源利用、宿泊施設の多様性とバランス):10位圏外
同じくユーロモニターによる2021年1月の消費者ライフスタイル調査によると、世界で66.4%の人が日常のアクションを通じて環境に良好な影響を及ぼしたいと考えています。自然・社会環境や経済状況に多大な影響を受け、またそれらに影響を及ぼす観光業界においても、持続可能性の実現は喫緊の課題です。限られた資源を次世代につなぐため、オーストリアではEUの目標よりも10年早い2040年までに、クライメート・ニュートラル(※)を実現することを目指しています。また、有機農業の推進や、無料の公共交通機関の運行、歴史地区での車両通行禁止など、多くの場面で持続可能な社会に向けた取り組みを実践しています。
(※)温室効果ガスの純排出総量をゼロにすることを目指す活動。排出量自体を可能な限り削減するほか、削減できない排出量についてはオフセットをおこなう。