30.07.2021

「ドナウ川 ローマ帝国の国境線」が世界遺産に

ローマ帝国が外敵を防ぐためにドナウ川流域に築いた城砦遺跡が、国内12件目のユネスコ世界文化遺産に登録されました。

2021年7月30日、ユネスコは「ドナウ川 ローマ帝国の国境線(ドナウのリーメス, Der Donaulimes)」を世界文化遺産に登録しました。オーストリアとしては同月24日に登録されたバーデン・バイ・ウィーンに続く、今年2件目の世界遺産の誕生です。

古代ローマ帝国が現在の英国から中央・東ヨーロッパ、さらには中東、北アフリカに築いた全長5,500kmに渡る巨大な城砦のうち、主にゲルマン民族の侵攻に対抗してドナウ川の流域に築いたものを「ドナウのリーメス」と呼称します。今回世界文化遺産に登録されたのは、このうちオーストリア、ドイツ、スロヴァキアに残るもので、オーストリア国内ではオーバーエステライヒ州、ニーダーエステライヒ州、ウィーンのドナウ川流域357.5kmに築かれました。

今回世界文化遺産に登録されたオーストリア国内の「ドナウのリーメス」は、すでに観光名所となっているカルヌントゥム(Carnuntum)のハイデントーア(Heidentor)や、トゥルン(Tulln)、ツァイゼルマウアー(Zeiselmauer)、トライスマウアー(Traismauer)の城砦のほか、地中に埋まっている遺跡を含む全22カ所に上ります。

*カルヌントゥムの遺跡まではウィーン・ミッテ(Wien Mitte)駅から10駅(45分程度)、駅から徒歩16分で日帰り旅行にも最適です。